夏期展 「吉田初三郎 鳥瞰図展」





種差海岸に別荘兼アトリエ「潮観荘」を築いた吉田初三郎の鳥瞰図が、近年ますます脚光を浴びています。この7月には、JR東日本新幹線車内サービス誌『トランヴェール』でも、吉田初三郎と共に青森・北海道の鳥瞰図が特集され、当館も紹介されました。これに合わせ「吉田初三郎 鳥瞰図」展を開催します。
幕末から明治初期の鳥瞰図第一人者・歌川貞秀の浮世絵から、大正から昭和前期の約40年間にわたり独自の様式により鳥瞰図芸術の一時代を牽引した初三郎の数々の作品まで、鳥の目から俯瞰した想像力あふれる鳥瞰図の世界をご堪能下さい。


吉田初三郎(1884~1955)

明治17年京都市生まれ。10代で京都三越友禅図案部の職工となり、20代半ばに洋画家を目指し関西美術院に入る。画家として伸び悩む中、パリで学んだ関西美術院院長・鹿子木孟郎の勧めで、大正元年、図案の経験も活かせる商業画家に転身。翌年描いた鉄道旅行案内処女作「京阪電車御案内」が、皇太子殿下(後の昭和天皇)に「是は綺麗で解り易い」と称賛される。以後、独自の初三郎式鳥瞰図による全国の旅行案内画を描き、大正から昭和初期の鉄道旅行ブームの中、2000点を超える作品を制作。また、鉄道開設50周年記念鉄道省『鉄道旅行案内』、皇太子御外遊記の装幀、各地の陸軍大演習大本営御座所の鳥瞰図屏風、国際観光局の海外向けポスター第一弾など、国家政策に伴う制作にも腕を振るう。昭和7年八戸を訪れ種差海岸を絶賛、「潮観荘」を建設し家族や弟子を伴い制作の拠点とする一方、種差海岸の全国的な周知に貢献。昭和21年依頼を受け、原爆の悲惨さを描いた「広島原爆八連図」を制作し、昭和30年京都にて71才で亡くなる。近年、そのユニークな画風と郷土資料的価値から注目を集め、展覧会なども多数実施されている。




初三郎が生まれる数年前に亡くなった歌川貞秀。初三郎も参考にしたであろう幕末の鳥瞰図を少しだけ特別展示。同地域の初三郎作品と見比べて、時代・絵師それぞれの特長を楽しもう!




大正初期から戦後まで、目まぐるしく変化する時代の中、初三郎の鳥瞰図はどのように変化していったのか。初三郎の年譜と共に、約40年間の作品を一望。




昭和7年に初めて八戸の種差海岸を訪れ、約3年をかけ別荘兼アトリエ「潮観荘」を築き、以後制作の拠点とした初三郎。昭和8年頃から亡くなるまで北海道・東北の作品も増えていきます。よく知る街の当時の美しい景観をお楽しみ下さい。







夏期展 「吉田初三郎 鳥瞰図展」

会期    令和1年7月13日(土)~8月4日(日)
開館時間  10:00~17:00
休館日   毎週月・火曜日(祝日は開館)
観覧料   大人500円(400) 高校生・中学生以下無料
      ( )は10名様以上の団体割引料金
八戸市柏崎1丁目8-29   ☎0178-32-7737

後援/八戸市教育委員会 ㈱デーリー東北新聞社 ㈱東奥日報社
   コミュニティラジオ局BeFM