2022年春期展「街かどミュージアム開館10周年記念 春期浮世絵展 月岡芳年展」





2012年に開館した街かどミュージアムは、この春10周年を迎えます。コロナ禍の中、休館しておりましたが、この春、浮世絵展を再開します。近年、TV番組にも取り上げられることが多くなった月岡芳年(1839-1892)は、当時人気No1の絵師で、その後も、芥川龍之介や谷崎潤一郎、横尾忠則などにも影響を与えたと言われています。没後130年となる今年は、当館所蔵品の中から、芳年を中心に、師匠の歌川国芳や同世代の絵師、芳年門下の作品など約100点を公開予定です。
日常を離れ、ゆっくりと文化を楽しむひと時をお過ごし頂ければ幸いです。





■歴史画で見る、源平合戦から鎌倉の英雄たち

天皇を中心とした日本独自の近代国家観が形成される中、明治10年代に入ると崇高な古代神話や、道徳的規範とされる歴史上の人物を象徴的に描く「歴史画」が流行しました。芳年は、その先駆的存在となり、多くの歴史画を描きました。今回は、現在大河ドラマで注目される平安末期~鎌倉初期の武将などを描いた作品を中心に、歴史画家のバイブルとわれる菊池容斎の『前賢故実』などもご紹介します。

■「月百姿」

「月百姿」のシリーズは、芳年が8年の歳月をかけた最晩年の作品です。歴史や伝説・落語・謡曲など幅広い題材から選ばれた人物が、月の光に照らし出された姿は情緒深く、多彩な構図も魅力的です。今回は、全100点の連作の中から、人気の高い作品など10数点を展示します。

■妖怪から戯画まで多彩な作品

師匠の歌川国芳同様、多彩なジャンルを手掛けた月岡芳年ですが、なかでも画業初期と最晩年には妖怪画のシリーズ(「和漢百物語」「新形三十六怪撰」)を手がけ、その奇抜さは今も高い人気を誇っています。今回は、妖怪画の他、代表的美人画シリーズ「風俗三十二相」や近代役者絵の名品「雪月花」三部作、戯画など多彩な作品をご紹介します。

■師弟や同世代の絵師たち

最後の浮世絵師と呼ばれた月岡芳年は、幕末から明治前期の時代の転換期に活躍した絵師です。時代の変化と共に、芳年以前と以後では、絵画様式も大きく変化し、新たな日本の伝統木版画が育っていきます。その変化の中心には、歌川国芳ーー月岡芳年ーー水野年方・・・という系譜が存在します。今回は、芳年の師歌川国芳や同門同世代の絵師、芳年の弟子たちの作品なども少しですがご紹介します。

出展予定の絵師たち
・月岡芳年の師匠:歌川国芳
・同世代の絵師たち:歌川芳艶・落合芳幾・豊原国周・楊洲周延・小林清親
・月岡芳年の弟子たち:水野年方・月岡耕漁・二代歌川芳宗



開館10周年記念 春期浮世絵展「月岡芳年展」

会期    令和4年4月23日(土)~令和4年6月19日(日)
開館時間  10:00~17:00
休館日   毎週月・火曜日(祝日は開館)
観覧料   大人500円(400) 高校生・中学生以下無料
      ( )は10名様以上の団体割引料金
八戸市柏崎1丁目8-29   ☎0178-32-7737


後援/八戸市教育委員会 ㈱デーリー東北新聞社 ㈱東奥日報社 
コミュニティラジオ局BeFM