八戸クリニック街かどミュージアム 2023年春期浮世絵展
「傾く 役者絵ー19世紀を席巻した2人の役者絵師ー」





今年3月、八戸市公会堂でも、歌舞伎の大名跡・十三代目市川團十郎白猿の襲名披露興行が行われました。「歌舞伎」の語源は、「傾く」が名詞化したもので、新奇や異様な行動・風体を意味し、さらに、戦国末期から江戸初頭の徳川家康が生きた時代には、派手な身なりで常識を逸脱した自由奔放な無頼・遊侠の徒は、〈かぶき者〉とされました。現在、伝統芸能となっている「歌舞伎」の基底には、この派手さや異様な風体、そして反骨精神があり、それは、歌舞伎と共に発展した「役者絵」にも反映されています。
「役者絵」は、当時の役者や絵師を知らない等の理由から、風景画などに比べ敬遠されがちです。そこで、今回の展示では、19世紀を席巻した2人の絵師を中心に、現在にも通じるデザイン性を持った派手で、斬新で、カッコいい役者絵を中心にご紹介致します。浮世絵の王道であるがゆえに、存分に注ぎ込まれた浮世絵の技術と共にご堪能ください。

■史上最も売れた浮世絵師・歌川国貞

初代歌川豊国の門人で、後に豊国を襲名(3代豊国)、「豊国(国貞)にかほ(似顔)、国芳むしや(武者)、広重めいしよ(名所)」と評される幕末三大絵師の中でも、最年長で、浮世絵史上においても最も売れた浮世絵師です。作画数は、役者絵を中心に1万種を超えます。後に江戸歌舞伎のドンとなる5代海老蔵(7代団十郎)とは幼馴染。役者絵だけでなく「源氏絵」というジャンルも確立し、版本の挿絵や美人画でも人気を博しました。

■明治の写楽こと豊原国周

歌川国貞の弟子で、明治前期の浮世絵界を代表する豊原国周は、後に「明治の写楽」と称されるほど、役者絵を中心に人気を博しました。歌舞伎界とも親密で、特に尾上菊五郎とは仲が良く、共に歌舞伎界の盛り上げに貢献しました。酒を好み宵越しの金を持たない狭気で、暁斎・清親とも酒席で大乱闘を繰り広げた逸話もある他、転居は117回、妻も40人余り変えたという変わり者。明治6(1873)年ウィーン万博や明治10(1877)年第一回内国勧業博覧会には、美人画を出展しています。

■その他の見どころ

歌舞伎十八番
浮世絵として「歌舞伎十八番」を揃いで描いた2つのシリーズを用いて、7代団十郎が制定した市川家の歌舞伎十八番を全てご紹介します。

上方浮世絵
浮世絵といえば、江戸が制作の中心でしたが、京都や大坂でも制作されており、それらは「上方絵(上方浮世絵)」と総称されています。江戸の浮世絵に比べて制作数も少なく、目にする機会も少ないのですが、江戸とは異なる趣向をもつ豪華で魅力的な作品も多く、現在、大阪の難波には「上方浮世絵館」もあります。今回は、幕末明治の上方役者絵をご紹介します。

国貞・国周以外にも、歌川豊国や歌川国芳、歌川芳虎、2代歌川国貞、4代歌川国政、右田年英、安達吟光などの役者絵も少数ですが展示しています。



2023年 春期浮世絵展 「傾く 役者絵-19世紀を席巻した2人の役者絵師ー」

会期    令和5年4月29日(土)~令和5年6月18日(日)
開館時間  10:00~17:00
休館日   毎週月・火曜日(祝日は開館)
観覧料   大人500円(400) 高校生・中学生以下無料
      ( )は10名様以上の団体割引料金
八戸市柏崎1丁目8-29   ☎0178-32-7737


後援/八戸市教育委員会 ㈱デーリー東北新聞社 ㈱東奥日報社 
コミュニティラジオ局BeFM