街かどミュージアムでは、江戸後期の浮世絵から昭和初期の新版画まで、絵師・彫師・摺師により制作された日本の伝統木版画を体系的に収集しています。江戸~明治初期の浮世絵のイメージが強い伝統木版画ですが、明治中期~大正時代にかけて、あまり知られていない美しい作品が多く存在します。それらは、近代日本画壇形成期に活躍した絵師たちによるもので、浮世絵の画風とは異なり、浮世絵には分類できない作品群です。また、彫りも摺りも、浮世絵の衰退を経て生き残った精鋭たちによる見事な技をみせています。今年は、その中から、春・秋共に近代美人木版画を大公開、秋は近代小説の木版口絵を中心に展示致します。さらに、小村雪岱の作品も展示予定です。
現在、大河ドラマで話題の紫式部が描いた宮廷の女性たち。世界に誇るこの日本の古典は、江戸時代の浮世絵にも多く描かれ、さらには、これをモチーフに「偐紫田舎源氏」という翻案物語及び源氏絵という浮世絵のジャンルを生み出しました。ものがたりの女性たちの古典として、まずは、「源氏物語」の女性たちや華やかな源氏絵の世界をご紹介します。
現在、街かどミュージアムの公式X・instagramでは、歌川国貞「源氏絵物語」五十四帖を紹介中!
明治中期に生まれた近代小説に、「木版口絵」として挟み込まれていた近代美人木版画。「口絵のない小説は売れない」といわれたほど人気を博し、泉鏡花・幸田露伴・尾崎紅葉らの小説に、水野年方・鏑木清方・富岡永洗・梶田半古などが腕を振るい一世を風靡しました。物語の中の切なくも華やかな口絵の世界を堪能ください。
口絵以前の江戸時代の物語挿絵として、八戸市立図書館所蔵の読本挿絵をご紹介する他、春期展でもご好評を頂い た「アンティーク着物」の展示、さらに、独特の世界観をもった三沢市在住のイラストレーター齋藤さち子さんが 本展のために描いた4m超の大作も展示予定です。また、期間中(9/14~16、10/12,13)に、blanche さんによるア ンティーク着物、帯、はぎれなどの販売会も実施します。
- 八戸市立図書館HP
https://www.lib.hachinohe.aomori.jp/ - 八戸市立図書館所蔵の読本(はちのへヒストリア)
https://historia8.org/cultural-property/ipznt6ndvw/ - 齋藤さち子さんHP
http://loopmark.org/index.html/ - 齋藤さち子さんInstagram
https://www.instagram.com/loopmark_ss/
2024年 秋期展 「近代美人木版画展ーものがたりの女性たちー」
会期 令和6年9月14日(土)~令和6年11月10日(日)
開館時間 10:00~17:00
休館日 毎週月・火曜日(祝日は開館)
観覧料 大人500円(400) 高校生・中学生以下無料
( )は10名様以上の団体割引料金
八戸市柏崎1丁目8-29 ☎0178-32-7737
後援/八戸市教育委員会、㈱デーリー東北新聞社、㈱東奥日報社、
コミュニティラジオ局BeFM
2024年 秋期展 「近代美人木版画展ーものがたりの女性たちー」