当ミュージアムオープン記念展となる本展覧会は、 第1部の浮世絵展と第2部の吉田初三郎展の2部構成となっております。
浮世絵の部「国貞・広重・国芳幕末三大浮世絵師展」
歌川国芳は、昨年没後150年を迎え、六本木や渋谷・大阪などで大規模な展覧会が開催され、今大変注目を集めている絵師です。 水滸伝シリーズで大ヒットし一躍人気絵師になるのですが、その出世作水滸伝を3図公開する他、戯画・江戸のダジャレがきいた木曽街道六十九次シリーズ・西洋銅版画の影響を受けた作品など、幅広いジャンルの上質な作品を公開しています。江戸の発想の面白さをご堪能ください。
歌川国貞は、当時最も売れた絵師であり、浮世絵に源氏絵というジャンルを築いた人物。光のあたり方で柄が浮き出る 正面摺りという手法など当時の技巧が凝らされた作品や、得意の役者絵など、摺り・保存状態の非常にいい作品を公開しています。 特に、浮世絵史上最高度と言われる超絶技巧の彫りを堪能できる「役者見立東海道五十三次之内 白須賀」は必見です!色の美しさ、技術の高さを存分にお楽しみください。
歌川広重は、保永堂版東海道五十三次で有名ですが、今回は晩年の作品で評価が高い「名所江戸百景」や通称「狂歌入東海道五十三次」などを公開しています。 「名所江戸百景」では、初摺りも公開し、その色の美しさを堪能し、後摺りとの違いなどを楽しんでいただけます。また、同じ風景画でも、旅絵の雰囲気と名所絵の雰囲気の違いなども見どころの一つです。
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「役者東海道五十三次之内 白須賀 猫塚」
歌川国貞 嘉永5年
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「手向杜若四季咲(三枚続の内一図)」
歌川国芳 弘化4-嘉永5年
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「名所江戸百景 真乳山三谷堀夜景」
歌川広重 安政4年
吉田初三郎の部「吉田初三郎の画業展パート1」
吉田初三郎は、大正から昭和にかけての日本全国の電車網の整備・各地の開発・旅行ブームの際に、全国から交通案内図を依頼され、この道の第一人者になった人物。 全国から依頼が殺到し、手掛けた鳥瞰図は2,000を超えるとも言われています。 種差に「潮観荘」という画室を構え、八戸にゆかりの深い人物です。 今回は、全長4m60cmの「高野山図絵」(高画質複製)を展示する他、原画・折図などを年代順に展示。初三郎の画業の変遷をお楽しみください。