江戸時代、街道と宿場の整備が進み、旅は人々の娯楽となりました。寺社詣を口実に、江戸や京都の名所を訪れ芝居や食事を楽しむ。浮世絵にはそんな彼らの姿と共に、旅に関連させ狂歌や伝説などを楽しむ文化が表れています。全国に鉄道網が敷かれる明治を経て、大正以後の経済発展により旅の大衆化が進み、国家も自然保護・外貨獲得・国民の保健休養教化の一環などの目的で関連政策を強化、近代の観光産業が成立していきます。そんな時代に鳥瞰図や新版画などが生まれ、その近代の新たな風景は人々に旅への憧憬を抱かせました。今回は、これらの作品を紹介し江戸から昭和初期までの旅を概観します。
第一章 街道と江戸名所
第二章 観光 日本再発見!
第三章 描かれた北東北の風景